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"ハイファイ" + "ワイヤード"
2007年11月1日 - 2008年1月8日
レセプション 11月1日(木)18:00 - 20:00

ギャラリーホワイトルームトウキョウでは、オープニング展覧会としてアメリカ人アーチスト、トッド・エバリーによる写真展を開催いたします。"ハイファイ"と"ワイヤード"の2シリーズ同時展示は今回が世界初となります。ヴィンテージのオーディオ機器やコンピュータを被写体とし、もはや過去のものとなったアナログの時代を讃えつつ、観る者の感情や想念を喚起する作品をぜひ本展でご高覧下さい。個々の写真は実用性の体現としてまたロマンの対象としてモダニズム・デザインを謳うものであり、また同時に全体としてはテクノロジーがまだ性善説に基づき人類の未来が輝いていた、まだほんの少し前に過ぎない純粋な時代を思い起こさせる楽観的なフューチャリズムを表現しています。

エバリーはアートや建築を被写体に、各アーチストの世界を解明し拡大する、いわば彼らとの『事後コラボレーション』とも呼ぶべき写真作品で知られています。このたび彼はその洞察眼を、人々の暮らしを一変させたコンピュータや音響機器、その初期ヴィンテージものへと向けました。 "ハイファイ"からは明るい世界観や男っぽさを、"ワイヤード"からはテクノロジー過剰な世界や機械の向こうに潜む邪悪な支配システムをめぐる妄想など、多様なデザインが様々な感情を呼び覚まします。さらには、自信そして未来への不安感というアメリカが冷戦時代に抱いていた二元性がここから浮かび上がってきます。

初期コンピュータの名作エニアックであろうと、郊外のリビングルームで大量生産品のモダニズム家具に収まっていそうな凡庸なステレオであろうと、エバリーは被写体に一貫したミニマリスト的美意識を見い出します。
そこには当時まだ誰も自覚していなかった独自の時代思潮が反映されています。洗練美だろうと安っぽいキッチュさだろうと、被写体の性質に関わらず完璧な一瞬を捉えるコントロール力、シンメトリーやプロポーションの感覚に卓越したセンスと技量とが、いずれの写真にも等しく見受けられます。

ドイツ人デザイナー、ディーター・ラムスはブラウン社在籍中にデザイン・ディレクターとして数々のオーディオ機器を設計しました。本展ではラムス自身が私蔵しているブラウンのオーディオ機器を撮影した作品がご覧頂けます。引き算の末に結果として美が立ちのぼる、ラムスをラムスたらしめるデザイン美学がエバリーの写真を通じて露わになります。

"ワイヤード"は『ワイアード』誌、また"ハイファイ"は『ヴァニティ・フェア』誌でそれぞれ掲載されたものです。雑誌向けの撮影という範疇を越え、被写体を彼独自のビジュアル作品へと昇華させています。

"ワイヤード"はロバート・ミラー・ギャラリーで2000年に発表されました。"ハイファイ"はWPS1 / クロックタワー / MoMAにて2003年より半永久展示されています。

トッド・エバリーは1963年オハイオ州クリーブランド生まれ。ニューヨークとテキサス州マーファにあるドナルド・ジャッドの作品を撮影した写真により、1990年代初頭に脚光を浴びました。エバリーは現在『ヴァニティ・フェア』誌で幅広いジャンルの撮影を手がけています。またシカゴ美術館やサンフランシスコ近代美術館、ロサンジェルスのガゴシアン・ギャラリー等で個展を開催しており、2007年夏には東京の国立新美術館で開催された『スキン+ボーンズ 1980年代以降の建築とファッション』展にて作品を発表しています。

お問い合わせはギャラリーホワイトルームトウキョウまで。